診察室で思うこと
診察室で思うこと |
「先生眠れませんがよ」の妙に多いこの春でした。するとどうしても原因を考えたいということになります。だいたいは患者さんの言葉がヒントになります。
「春にしては雨が多いですよね」
「昼と夜と気温差が大きくて」
結論。
春が春らしさを失っていた。
梅雨もいつになく短く終わり、卓袱台返しで猛暑日が始まりました。
「春眠暁を覚えず」は、「卓袱台」同様いつの日か死語となるのでしょうか。
「春眠暁を覚えず」は孟浩然(689-740)の「春暁」に基づきます。原文は、
春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜來風雨聲
花落知多少
有名すぎるのが難点ですが、唐の時代の春に思いを寄せると、切なくもありながら、こころ落ち着きます。
さて、睡眠を左右する要因をまとめると、心身のストレス、加齢、温度、湿度、日照時間、睡眠時無呼吸、飲酒、喫煙、カフェイン、生活リズム(規則正しい食事、適度の運動、)等に加えて、潮の満ち引き(月の満ち欠け)を加える人もいます。
実に多彩です。
従って、睡眠障害の解決方法はオーダーメイドです。
決して睡眠薬投与で簡単に解決するというものではありません。
睡眠障害という、どの職場でもありふれた症状に隠れて、その患者さんの様々な状況が存在することを、改めて思うことです。
診察室で思うこと
2024年9月