メンタルヘルス

産業保健の話題

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第7回:職場のメンタルヘルスへの対応

      鹿児島産業保健推進センター産業保健相談員 大迫 政智

鹿児島産業保健推進センター(以下センター)では、
様々な相談活動を行っていますが、その一分野として、
メンタルヘルス」があります。

今回は、職場のメンタルヘルスの現状と、
センターにおける実際の活動について、ご報告いたします。







労働者のストレスは年々増加傾向

厚生労働省が実施した労働者健康状況調査によると、職業生活でストレス等を感じる労働者の割合は、昭和57年に50.6%であったものが平成9年には62.8%と、年々増加してきていることが分かります。


自殺者が3年連続3万人を突破

一方、警察庁の発表する年次別自殺者数も年々増加傾向にあり、平成10年度以降3年連続の3万人台となっています。自殺の理由としては、生活・経済問題、勤務問題が急増してきているのが目立っています。


4つのケア

このような状況のもとで、厚生労働省は平成12年8月に、
「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を策定しました。

その概要は、

労働者自身によるセルフケア
管理監督者のラインによるケア
産業医・保健婦などの産業保健スタッフによるケア
労災病院勤労者メンタルヘルスセンターや産業保健推進センターなどの事業場外資源によるケア


以上の、4つのケアによる労働者の心の健康づくり対策としてまとめられています(この資料ご希望の方は、ご連絡ください)。


センター個別相談事業も増加傾向

当センターでは、事業場、労働者からの個別の相談を、電話、HP、直接来所(事前の予約が必要)などで受け付けています。相談件数は年々増加傾向にあり、平成13年度前半期で53件の相談がありました。相談後は、個別の指導のほかに、医療機関の紹介、事業場への訪問指導などが行われています。


センターにおける研修事業

産業医に対する研修、保健婦等に対する研修、事業場からの要請に基づく講師派遣等を行っています。


今年度のセンターの調査研究事業

また、今年度の調査研究事業として、「鹿児島県下の中核的事業場におけるメンタルヘルス活動の実態とその支援策に関する基礎的調査」を計画し、現在実施中です。


終りに

IT化、景気後退の継続、リストラの進行等により、労働者のストレスはかつてなく増大し、メンタルヘルスの状況にも、これまでにない大きな変化が起こっているようです。
そのため、これまでのような対応だけでは困難を感じる事例も増えてきています。センターのさらなる活動と、その広報の必要性を強く感じています。医師会の先生方の、一層のご協力をお願いいたします。


「第7回:職場のメンタルヘルスへの対応」
(2002年-4月号)
メンタルヘルスかごしま中央クリニック院長

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