メンタルヘルス

「さんぽ鹿児島」メールレター 第199号 ≪相談員からのメッセージ≫

title_circle
content_haikei01
mental_icon

「小さな一歩」

      鹿児島産業保健総合支援センター 産業保健相談員 大迫 政智

TV画面を賑わせた「キレてアオって」のニュースのあと、急に売れ始めたドライブレコーダーは未だによく売れているらしく、新車・中古車の宣伝に「ドライブレコーダー付き」と書いてあるのをしばしば目にする。自分が運転していても、アオり運転寸前の人、これではアオられてしまいそうと思わせる運転をする人、どちらも日常的に目にする。自分だけはどちらにもなるまいと誓うが、相手あってのことならば万全の自信はない。

キレやすい人の治療は可能だろうか。自覚と治療意欲次第で可能ではあろう。

公共の場で大騒ぎする子をたしなめない親に注意すると逆ギレされるから、見て見ぬふりをするという。そういう自分も公共の場で他人に意見しようとは思えない。

この無力感。
育児放棄・虐待のニュースも増えた。
こんな報道ばかりのニュースなら見たくない。

詳細は忘れたが以前に、タレント何某アキコの司会するTV番組で、ひな壇の芸人たちがタレント誰某に対して短所・欠点・悪口を我先に罵るように言い合ったあと、最後に何某アキコが「せえの」と掛け声をかけると一斉に「でも良い人よ」と声を揃えておしまい、というコーナーがあった。「良い人だけどケチだよね」と言われるより、「ケチだけど良い人だよね」と言われる方が腹が立たない、「ものも言いよう」ということなのだろう。丸い卵も切りようで四角、ならばこれもキレない工夫といえるだろう。

せめて自身の身の回りではキレない人が増えるように努力はできる、努力しようと思う。


「さんぽ鹿児島」メールレター 第199号 掲載原稿
(2019年 - 10月号)

content_haikei02